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2025.07.07

【新会館建設レポ2】新しい会館はこうなる 北大阪商工会議所新会館解体新書 北大阪商工会議所新会館建設のあゆみとゆくえVol.2

北大阪商工会議所は現在、自前の会館の老朽化により、大垣内町から車塚の輝きプラザきららに仮移転している、ということをよく知っている方も知らないという方も各々たくさんおられることかと思う。老朽化し耐震にも問題があった旧会館から仮移転することができたのが令和元年11月、そこから早くも6年が経過しようとしている。会員の皆様を始め、当所へ御用の方々には大変ご不便をおかけしてしまっていることだろう。本来ならば、当然このように長く仮移転が続く由もなく、現時点で3回に上る特別委員会の設置、喧々諤々議論や検討、計画の検討があった上での現在である。皆様には大変遅ればせながら、前回(2025年5月号)ではその苦悩ともいえる当所新会館建設に向けたこれまでの歩みをご紹介した。今回は現段階での新会館の進捗やイメージをお伝えしていきたい。

いよいよ大詰め、新会館の歩み 後編

旧会館建設当時は、高度経済成長がまさに始まらんとする成長の激動期、当時の会員数は約800事業所で、現在の五分の一。前回紹介した趣意書を見ると経済成長の勢いに会館が手狭となっていたことが伺える。また当時は土地の取得を同時にされていてその苦労が垣間見える。現在当所が保有する土地は先人の思いが詰まった貴重な財産であったことに違いない。また節々に会員の誇りとなる会館建設の悲願の思いが伝わってくる。会館建設後、当所の会員数の成長速度は上昇し、約800会員から4,000会員に至るまで、ふさわしい規模での会館建設がその成長に貢献したことは想像に容易い。そして当所の会員数はバブル崩壊直後の1995年まで成長し続け4,278会員となりピークを迎える。バブル崩壊からリーマンショック直後までは下降の一途を辿ったものの、その後の国の経済政策のテコ入れもあり、商工会議所の経営支援が中小企業施策のセーフティネットの一翼を担い、同時に必要性と存在感も徐々に増していったことを受け、支援を求めて会員数は緩やかに回復していった。近年ではコロナ禍によって、更なる企業支援が必要となったことで、会員数は更に増え続け、このままいけば令和7年度にはバブル期の過去最高の4,278会員超えが視野に入ろうとしている。旧会館の建設が1945年、その50年後の1995年に会員数がピークを迎え、2011年に下限となり、その30年後の2025年に再び会員数のピークが目前となってきた。まさにちょうど失われた30年を今回の新会館建設のタイミングで取り戻そうとしている。果たしてこれから建設する新会館は、先人の想いをしかと受け継ぐことができるのだろうか。続いて、現在設計を進めている新会館のマイルストーンについてご紹介したい。

旧会館コンセプト
「 商工業界の結集と活動の中枢的機能を果たす商工会議所会館」

躍進を続けている枚方市、寝屋川市、交野町において、商工業界の結集と活動の中枢的機能を果たす商工会議所会館を建設することによって、企業に共通の利益と産業の発展とを、より効果的に促進するとともに商工業ならびに従業員の福祉を実現することを目的とする。

新会館コンセプト
「 多様な交流が新しい価値を生む「知のオアシス」」

計画地の大垣内町は新たな街づくりが進行中の近隣商業エリアにあり、多くの大学を擁する地域に位置している。様々な地域リソースを発掘・活用しやすい立地特性を最大限に活かして、会員の皆様をはじめ大学の研究者・学生や地域の方々、自治体の方々が様々な形で出会い、共に活動する「産学公民」連携のオープンイノベーション拠点となることを目指す。ここに来る全ての人にとって居心地が良く、知的好奇心が刺激される議論の場、アイデアをすぐに試せる実験の場となり、そこから生まれる全く新しい価値が会員の皆様に大いに役立ち、地域の活性化にもつながる「知のオアシス」となる新会館を創造する。

こうやって新旧のコンセプトを見比べてみるとその時々の時代性をよく表しているように感じる。旧コンセプトは高度経済成長期真っ只中で血気盛んに経済を成長させていくという意気込みを感じる内容であるのに対し、新コンセプトは持続可能な地域経済の発展のためには、地域の活性化が双輪であるという認識の下、全てを自前で賄うのではなく、産学公民のあらゆる地域リソースを屈指してイノベーションを促していけるようなハブ機能を担うというような方向性に変化しているのが伺える。旧会館の時代とは違って、世界的な情勢から物価や建設費の高騰により、規模の縮小を余儀なくされている新会館であるが、試行錯誤を繰り返して捻り出されたそのパースや図面にはこれからの新しい時代にふさわしいコンセプトに見合った工夫が可能な限り詰め込まれている。続いて、いよいよ新会館の図面をご紹介していきたい。

▲1階の図面

1階のエントランスには、なんと言ってもまず現在募集中の会館建設協力金に10口以上ご協力いただいた方々のご芳名を会館が存続する限り歴史と共に刻み込む銘板を設置する。そして十分とは言えないが旧会館以上の駐車スペースを備え、簡単な軽食を提供できるカフェと座席を兼ねた交流スペース、水路側にはベンチも設置され、イベント時などはガラスを開放し、一体で利用することができそうだ。そして対面で24席確保できる会議室、各種団体が利用可能な事務所テナント5室、来客対応などが可能な応接室と坪庭、役職員や管理人の執務室、テナント・カフェ・事務所用に各々の倉庫、バリアフリートイレを設置。事務所と階段脇には相談コーナーも設けられ、限られたスペースにかなり多様な機能が兼ね備えられている。

▲2階の図面

2階にはテナント2室に当所情報センターの事務所、トイレ、事務所前には相談スペースも設けられている。そして2階の目玉はなんと言っても待望の大会議室が設けられることだろう。各種団体の総会やセミナー、飲食持ち込みによる懇親会場としてもご利用いただける。そして特筆すべきは、この大会議室、間仕切りによって仕切ることができるので中規模の会議にも対応可能だ。テナントとしてご入居いただく団体の方々には旧会館のようにシームレスな環境をご提供させていただけるだろう。冒頭これまで大変ご不便おかけしていたという所以はここによるところが大きい。また各種団体が再び集まることで、複数団体に加入されているメンバーの方々にはさらに利便性が向上するに違いない。

不易流行な会館としてこれからを歩む

現在大垣内町にある我らが会館は、昭和45年(1970年)1月に某大手設計会社と某大手ゼネコンによるジョイントベンチャーによって建設され竣工、当時からすれば非常に先進的な建築物であったようだ。高度経済成長期の初期からバブルへと駆け上がるように時代と共に会員の皆様の憩いの場所であり、相談所であり、多くのビジネスマッチングが産声を上げた場所であったであろうことは言うまでもないだろう。永い間お世話になったとひとことで言ってしまえばそれまでであるが、しかし半世紀というあまりにも色々ありそうな長い間である。今回は折角の機会なので2回に渡って、否応なく忘却されていくであろう旧会館の仕様と先人の会館に懸ける想いが詰まった貴重な会館建設趣意書の内容と共に、時勢に即した機能性の高いちょうどよい規模の新しい会館についてご紹介させていただいた。先人が苦労して獲得した思い入れのある土地を活用しつつ、旧会館への趣意は当然のごとく事務局機能として継承、さらに地域の産学公民によるリソースを有機的に繋ぎ合わせ、新たな時代を牽引するオープンイノベーションが再び生まれ続ける場所が産声を上げようとしている。まさに不易流行な会館として無事に建設され、会員の皆様に末永く愛していただけることを願いたい。

北大阪商工会議所 新会館建設協力金について(ご依頼)

当所は昭和23年に枚方市・寝屋川町・交野町・津田町を管轄する「社団法人 枚方商工会議所」として発足し、昭和46年に「北大阪商工会議所」に名称が変更され、現在に至ります。ITやWEB活用のサポートを得意とする強みを活かし、「本所」と一体となって会員事業者様の経営の合理化・生産性の向上を推進させ、枚方市・寝屋川市・交野市の新たな産業支援拠点として、三市の経済に貢献してまいります。現在、新会館建設に向けて準備を進めているところではございますが、皆様ご承知のとおり、昨今の材料費・人件費上昇に起因して、建設費用が高騰し、多額の資金が必要となります。「商工会議所会館」は会員皆様の財産となることや、今後も長きに亘り、枚方市・寝屋川市・交野市の産業拠点となるべく施設でございます。つきましては趣旨ご賢察の上、出費多端の折、誠に恐縮ではございますが、会員皆様方のご支援・ご協力を賜りたく、「新会館建設協力金」を募らせていただきます。

募集期間:令和7年3月~令和8年10月

募集目標額:1億円

  • 一口1万円で募集させていただきます。
  • 経理処理につきましては「建設協力金等に対する税法上の取り扱いについて」をご覧ください。
  • 全ての協力事業者様におかれましては、新会館建設後、当所会報誌・HP・新会館建設記念誌に社名を掲載させていただきます。
  • 10口(10万円)以上のご寄付の場合、新会館1階入口付近に設置する奉名板に社名を掲示させていただきます。
  • 奉銘板に掲示させていただく「社名プレート」は、寄付額に応じた多段階のサイズにより作成させていただきます。

お申込方法:「建設協力金 申出書」にご記入の上、郵送又はFAX、メールでお申込みください。

詳細はこちら
「建設協力金 申出書」ダウンロードURL:https://www.kocci.or.jp/news/2025/04/91160/

本件問い合わせ先
北大阪商工会議所 新会館建設事業担当
TEL:072-843-5154
FAX:072-841-0173

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