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2026.01.14更新

【活動事例】美容室から始まる地域貢献プロジェクト

使用済みアルミチューブを再活用しSDGsに貢献
(交野市理美容室アルミチューブリサイクルプロジェクト)
北大阪商工会議所がトータルコーディネート

「美容室で廃棄されるアルミチューブを、地域のために活かせないか」
地域の会員事業者からの一つの相談が、行政・金融機関・大手企業を巻き込んだ持続可能な社会貢献の仕組みへと発展しました。
北大阪商工会議所が総合コーディネートを担った「交野市理美容室アルミチューブリサイクルプロジェクト」をご紹介します。

◆プロジェクトの背景と概要

始まりは一つの相談

交野市私部西で美容室を営む株式会社ボレロ(副代表:園田安奈氏)から、北大阪商工会議所に相談が寄せられました。

「美容室として環境問題に貢献したい。使用済みの染髪剤アルミチューブを、ただ廃棄するのではなく、何か地域社会に役立てられないか」

美容室では日々、カラーリング剤のアルミチューブが大量に使用されます。しかし、カラー剤が付着したこれらのチューブは、アルミ単体での回収が困難で、再資源化も難しいため、産業廃棄物として廃棄されるのが一般的でした。

実現した仕組み

この相談から生まれたプロジェクトは、従来廃棄されていたアルミチューブを回収・再活用し、その収益金をすべて交野市に寄付するという、環境貢献と地域貢献を両立させた取り組みです。

リサイクルの流れ

リサイクルの流れ2
  1. 株式会社ボレロが中心となり、賛同美容室から使用済みアルミチューブを回収
  2. 一定量が集まったら、大手電炉メーカー・共英製鋼株式会社に納入
  3. 共英製鋼株式会社が製鋼用副資材(脱酸材)として購入
  4. 株式会社ボレロが売却益を収益として計上
  5. 収益金を交野市に寄付
  6. 交野市が地域課題解決に活用

現在までに7回の売却を実施し、令和7年10月6日には初回の寄付金贈呈セレモニーを開催。着実に成果を上げています。

集荷の様子

ビューティサロンモリワキ様

ボルジェ様

ジェイド様

京都信用金庫様

集荷後の様子

共英製鋼様持込

計測

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◆北大阪商工会議所のトータルコーディネート

相談を受けた北大阪商工会議所は、このアイデアを実現するために、関係者をつなぎ、課題を一つひとつ解決していく役割を担いました。

2022年11月:企業マッチングの実現

まず取り組んだのは、アルミチューブを資源として活用できる企業の探索です。大手電炉メーカーである共英製鋼株式会社(枚方市中宮大池)とのマッチングを実現しました。

2023年1月:実現可能性の検証

第1回目の搬入・売却を成功させ、スキームの実現可能性を確認しました。

2023年3月:行政との連携構築

令和5年3月29日、交野市役所第1会議室にて、北大阪商工会議所・共英製鋼株式会社・交野市の三者で運営体制について協議を実施。交野市から寄付の受け入れについて内諾を得ました。

②㈱ボレロ・共英製鋼㈱・北大阪商工会議所協議

2023年4月:金融機関との周知体制確立

令和5年4月25日、北大阪商工会議所・枚方信用金庫・交野市との三者連携会議を開催。会員・取引先への周知活動について全面的に協力することで合意し、チラシデザイン等についても専門家を交え詰めていくことを確認しました。

2023年5月:継続運営のための専門家支援

令和5年5月24日、よろず支援拠点登録の中小企業診断士・知財技能士の専門家と個別相談を実施。商標登録の流れや予算、賛同美容室選定を設けるための一般社団法人設立検討について助言をいただきました。7月4日には司法書士との面談も実施し、法人設立の流れを確認しました。

2024年7月:プロジェクト正式立ち上げ

「交野市理美容室アルミチューブリサイクルプロジェクト」として正式に立ち上げ。賛同サロンも拡大し、ビューティサロンモリワキ様、ジェイド様、ボルジェ様、京都信用金庫様(集荷協力)などが参加しています。

2024年10月:初回寄付金贈呈セレモニー

令和7年10月6日(月)、プロジェクト初回の収益金寄付金贈呈セレモニーを開催。株式会社ボレロの園田安奈氏から交野市長へ目録が手渡されました。

ご来賓

  • 交野市長 山本 景 様
  • 枚方信用金庫 理事長 大川 洋司 様
  • 北大阪商工会議所 会頭 久門 哲男 様
  • 共英製鋼株式会社 常務執行役員 枚方事業所長 川井 健司 様

株式会社ボレロの園田安奈氏から交野市長へ目録が手渡される様子

ご来賓の皆様

プロジェクトを支える連携体制

本プロジェクトの成功は、それぞれの専門性を持つ関係者が一体となって取り組んだことによるものです。

共英製鋼株式会社の協力

大手電炉メーカーである共英製鋼株式会社は、持ち込まれるアルミチューブを鉄を溶かすための脱酸材として活用。燃焼温度を高め燃焼効率を上げるための資源として利用します。同社にとっても、コスト削減やCO2排出削減につながるメリットがあり、最終的にはアスファルト道路の下に敷く路盤材として再活用されSDGsに貢献しています。共英製鋼株式会社の協力なしではこのプロジェクトは実現不可能でした。

枚方信用金庫の協力

交野・枚方・寝屋川を地盤とする枚方信用金庫は、地域に根ざした金融機関としてのネットワークを活かし、アルミチューブ再活用に賛同する美容室への広報活動に協力しています。

交野市のサポート

交野市の環境事業課・地域振興課から、様々な課題解決に向けてのアドバイスをいただき、プロジェクトスタートの大きな一助となりました。寄付金の受け入れを通じて、地域課題の解決へ行政としての役割を担っていただいています。

北大阪商工会議所が大切にしたこと - 事業の継続性

本プロジェクトのコーディネートにおいて、北大阪商工会議所が最も議論を重ねたのは「事業の継続性」でした。
一過性で終わらせるのではなく、持続可能な仕組みをいかに築くか。その一点にこだわり、担当職員(堀家歳史・岸本貴文)をはじめ、株式会社ボレロ様、共英製鋼株式会社様と幾度も協議を重ねました。
数多くの課題に直面しましたが、そのたびに交野市様、枚方信用金庫様が真摯にご助力くださり、ひとつひとつ解決へと導いてくださいました。

こうして初めての寄付金をお渡しできたことを、心より嬉しく思っております。本事業の全体コーディネートを担えたことは、商工会議所職員にとっても非常に貴重な経験となりました。
改めて、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

協議の様子

◆プロジェクトの意義と今後の展望

SDGsへの貢献

  • 環境負荷の軽減:従来廃棄されていたアルミチューブを資源として再活用
  • 地域経済の循環:収益が地域課題解決に活用される仕組み
  • 持続可能な産業:美容業界における新しい社会貢献モデルの確立
  • パートナーシップ:企業・行政・金融機関の連携による課題解決

今後の展望

株式会社ボレロは、賛同サロンの拡大による社会貢献の幅の拡大、プロジェクトの仕組みを近隣市、大阪、関西、全国レベルへ展開し、美容業界全体で社会貢献を「当たり前」にする文化の醸成を目指しています。

なお、本事業はここがゴールではなく、スタートラインです。今後は株式会社ボレロ様を中心に、事業を継続・発展させてまいります。この取り組みにご賛同いただける美容師・理容師の皆さまは、ぜひご参加ください。

あなたのアイデアを形にする - 北大阪商工会議所ができること

本事業は、地域の会員事業者からの一つの相談から始まりました。北大阪商工会議所は、このような相談を形にするために、以下のような支援を行っています。

総合的なプロジェクト支援

  • 企業マッチング:地域課題解決に必要な企業・団体との橋渡し
  • 行政連携:自治体との調整・協議のサポート
  • 金融機関連携:地域金融機関とのネットワーク構築
  • 専門家紹介:事業計画作成や継続運営のための専門家コーディネート
  • トータルコーディネート:相談から実現、継続運営までの一貫したサポート

美容室のアルミチューブという身近な廃材から始まった本プロジェクト。あなたの業種・業界にも、同様の可能性が眠っているかもしれません。

お問い合わせ
北大阪商工会議所 交野支所

〒576-0052 大阪府交野市私部1-1-2
TEL:072-892-6700
担当者:堀家(ホリイエ)・岸本(キシモト)

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